大分トリニータの昨シーズンホームのリーグ戦入場者数が、J2のときよりも200人あまり増えていたことをNHK大分が伝えていました。動員数が落ちると警告されており、僕も厳しい状態になると思っていましたが、少しびっくりしました。スタジアムでもJ2のころと同じくらいでなかなか定着していると感じていましたが、数字として出されると大分愛を感じることができ、嬉しくなるものです。
大分愛こそ、大分トリニータの原動力であることを主張してみましょう。
湘南、札幌、セレッソと上がっては落ちてまた昇格を繰り返すクラブは、何もJリーグだけの特徴ではありませんが、なぜこれがわかっているJ1経験クラブが定着することを視野に入れたクラブ方針を掲げないのか?もちろん財政事情などあり、戦力補強がうまくいかないなど理由はあるでしょうが、それで諦めてしまうのであれば、J1に定着することなどできないでしょう。これは何も大分には関係ない話ではありません。
片野坂監督は今季の目標について、とにかくJ2で戦い昇格を視野に入れていないことをNHK大分のインタビューで答えていました。指揮官がその方針であることは残念に映るサポーターも多いでしょうが、腰を据えたという意味でみれば、J1定着をするための戦い方が始まると考えます。定着をするためには戦力補強も重要ですが、財政事情が厳しいクラブがするべきことは、いま持っている駒の潜在能力を上げること。そのときにこそ、大分愛が役に立ちます。
育ててしまった後に出ていかれると、またその繰り返しになります。これは育成クラブや弱小クラブの宿命です。でもそれでも出て行かない選手もいます。クラブに忠誠を尽くす。セレッソの日本代表山口選手もそれに代表される選手になるでしょう。そんな選手を大分で増やすことこそが、J1定着の足掛かりとなります。そのために必要なものが大分愛です。
たった200人の増加となりましたが、J3であっても入場者数は落ちなかった。これは大分の大きな強みです。大分愛がこのまま育ち、愛される選手が増え、その選手たちも大分に忠誠を尽くすことになれば勝ち点にも影響することになるでしょう。そうすると入場者数は増えます。この定理はクラブが強くなるためには欠かせません。強くなれば観客数は必然的に増えます。
そうなると多くの観客の目を気にする企業が増え始めます。スポンサーが増えることになり、それはトリニータの財政事情を強固にするでしょう。そうなると選手を移籍させないように、満足できる条件を提示することができるようになります。スポンサーになりたがる企業もあると聞きますが、やっぱり「弱いから」といった理由で上層部が反対しているという大分企業さんも多いようです。それを見返すことができるのが勝ち点の増加であり、そこにこそ大分愛が必要です。
たった200人の増加。この数字は大分トリニータにとって、飛躍への大きな足掛かりとなるはずです。同時にもうひとつ主張したいことがあります。それはJ3でも踏ん張ったサポーター同志です。大分愛の礎を守ったのが、大分サポーターであることを忘れてはいけません。いずれそれを証明できるときがくるでしょう。そのための戦いが始まります。
コメント