前半決定的なシーンを2度逃し「今日はそういう日」の印象も受けましたが、横浜F・マリノスを戦術的にうまくはめてJ1で3403日ぶりのホーム勝利となりました。
勝因として横浜をうまくはめた戦術があげられますが、それを支えたのが縦に流動的に走るサッカー。また点を取らないといけない横浜F・マリノスを失点0に抑えた意識高すぎなディフェンスも評価できます。
2トップと中盤に3枚の蓋
横浜を研究したのでしょう。前掛かりになるF・マリノス向けのシフト。2トップで横浜のセンターバックとマッチアップさせ裏を狙う意図を持つこと、そして攻撃力が強い横浜対策に、DFラインの前に3枚のボランチで向き合った。
このシステムが横浜を詰ませた今節の片野坂ブレーンでした。
ハードプレイがお好きな前半戦
畠中・チアゴマルチンスと対峙した藤本・後藤は裏を狙ってスピードで勝負しましたが、決定機は2度ほどで横浜CBの強さを感じた前半でした。横浜の強力な攻撃陣と向き合うことからコンタクトプレーが激しくなりフィジカル勝負となりましたが、強い気持ちで戦ってくれました。
システム的に5バックのかたちになることも多く、我慢するすることも多かった。しかしそれが後半に生きることになります。換言すれば戦術的に必要だったハードプレイがお好きな前半戦とも言えます。
縦に流動的が後半から生きる
大分の特徴であるGKからのビルドアップに対峙する横浜のハイプレス。前掛かりだからこそ生きる戦術ですが、大分が自信を持って行うビルドアップでなかなか機能しません。
後半は横浜のフォアチェックを誘うようなビルドアップになっていく。すると少しずつ横浜はサイドの意識が疎かになり始めました。
大分は状況に応じて縦へのパスを入れるようになった。すると横浜の足が止まってきます。そこから発動したのが、大分の生命線である縦に流動的なサッカー。横浜のディフェンスに対するサイドへの意識が弱くなったところをついて、スプリントで突き放し2ゴール。
藤本・後藤のマッチアップが前半強固な横浜CBに抑えられていたけれど、そこに数をかけて攻めればもマークは外れます。藤本が得意とするサイドからのフィニッシュを生んだのが縦に流動的なサッカーであり、横浜よりも上回る走行距離とスプリントの結果に裏付けられているように、走ることで得られたゴールでした。
横浜にクリーンシートの意味
先制した際に開始が遅れるパフォーマンスがありました。あれを「ふてぶてしさ」と評価することもできるでしょうが、2点とった後からアディショナルタイムとして負荷が掛かるのではないかと心配していました。しかし意識高い系のディフェンスで跳ね返してくれました。
点を取らないといけない横浜相手に0点で抑えた価値は大きいです。押し込まれる時間も増え、1人横浜の選手が余っていることなど気になるところがありますが、岩田のファインプレーもありクリーンシートを達成。
押し込まれながらも攻める気持ちを忘れなかった。ワンタッチで前掛かりとなっている横浜を潜り抜け、ゴールに迫ることができるのは、GKからのビルドアップの意識がそうさせているのでしょう。
メッシはいないが藤本がいる
大分マスメディアがトリニータのサッカーをパスサッカーと評しますが、メッシがいないことに気付いたパスサッカーと僕は感じています。
先日も書きましたが、得点シーンは縦に早くサイドから展開しフィニッシュ。典型的なカウンターサッカーなのです。ただ精度が高い比較的長いパスが要求されることから、パラダイム的にみればパスサッカーと称していいのかもしれません。
パスサッカーで得点を奪うメッシはいないが、大分には藤本がいる。
トリニータの戦術にうまくはまっている藤本の存在は、大分にとってはメッシ以上の価値がある選手です。2点目はオサレでしたね。
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