次の大分県議会で犯罪被害者支援条例制定施行に向けた議論を

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兵庫県明石市の犯罪被害者支援条例は、殺人事件などの罪を犯した加害者が損害賠償金を被害者に支払わない場合、300万円を限度に市が立て替え払いをする全国初の制度だ。被害者やその遺族は、事件後も苦しむことが多い。事件後通常の生活ができなくなり、2次被害を受けることも多く、医療費から転居費用と経済的負担を強いられることは容易に想像がつくだろう。加害者側家族も事件後、通常の生活ができなくなり、損害賠償金を支払えなくなることも多い。そのような事情をカバーし、被害者を助ける制度が犯罪被害者支援条例となる。

広瀬知事は犯罪被害者支援条例に前向きな考えを持つ。条例を求める請願書が前回の県議会で全会一致で採択されたことから、次の県議会で制定を目指すことに期待できる。

明石市の犯罪被害者支援条例についての話を聞いたとき、「なぜ市町村単位なのか?」と疑問があった。市町村が地域住民と向き合うことは理解できるが、予算も必要となる。県で取り組めばもっと効率よく被害者支援制度が充実すると考えたからだ。実際、市町村議会からも県がしていないことに不満があり、議論が進まないこともあったようだ。

「足りないものはなにか?」と広瀬知事は指摘をしたが、そのときに問題になるのが公金の投入となる。明石市も立て替え払いをすることになっているが、どれだけ加害者側から回収できたのかはわからない。大分県も公金になることから立て替え払いが適切と考える。

回収する場合は、都道府県庁がどれだけ強い力で実行できるのかも議論として行うべきだろう。そもそも損害賠償金というのは、加害者への罰でもある。加害者として資産がないといった逃げ道を作らせない着実に回収をする制度であれば、損害賠償金の体を成す。加害者の事情により、市町村単位もしくは県でカバーできない場合は、国が行うことも視野に入れる必要があるだろう。意見書として国政に持ち込むのも、大分県であっても良いはずだ。

日弁連が行った死刑制度反対活動でこんなことがあった。「殺したがるバカどもと戦って」と作家が発言し、被害者側を深く傷つけた。被害者やその遺族の心情を蔑ろにするのが、日弁連の基本的な支援となっている。法曹界隈のプロ市民が平気でこのようなことをするのであれば、行政が手を差し伸べなければ被害者を救うことはできないだろう。

犯罪被害者支援は支払われない損害賠償金を立て替えて被害者を救済する制度であるが、同時に資産がない加害者家族への救済となる。こう考えると加害者だけに優しい団体にとっても、必要な支援とみることができる。だが大分県は、支払えない加害者のカバーをするがしっかりと回収をする制度にしてほしい。この認知が進めば新しい事件後の想定される加害者像を築くことに繋がるだろう。加害者側が支払わない背景を考えると理想となるが、行きつく先は犯罪抑止力だ。ここまでしてこそ、本当の犯罪被害者支援条例だと思う。

犯罪被害者支援は行政が仲介することによって、被害者が弁護士を含めた加害者側と向き合わなくて済む。それは心のケアとしても期待できる。県がやる気を出せば、それほど難しくない閉塞感を打開する支援となるだろう。被害者側を絶対に泣き寝入りさせないために、そして充実した犯罪被害者支援条例になるように、県議会に期待を込める。次の定例会は25日から始まる。ひとつの目玉にして本気で取り組んでほしい。

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