とにかく子供に優しいのが、NHK大分の田中アナだ。
笑顔が素敵な児童に「いい笑顔だね」、子供の声かけ事案予防のニュースではついていかないと決意した子供に対し、「そうだね!」と返す。いちいち優しい。子供がいるパパであるので、そんな優しさを見せることができるのだろうと思う。時間が限られている放送でこういう一言を出せるという余裕も、パパであるからこそなせるわざのようにも感じる。
そうみるとはるかちゃんの前置きは、リハーサルなどを経て準備がされた演出であったことがわかるだろう。そういう点からも、大分愛を感じることができるのだ。田中アナでいえば、大分キッズに対する愛である。誰々が可愛いー、前髪に芸術を感じるーとか言うだけではなく、こういう風な見方もキャスターにできるのが大分論壇である。
僕がしんけんワイド大分のキャスターであれば、田中アナのような大分キッズを守りたい意識と同時に、もうひとつ求めなければならないことがある。子供に気に掛けることで、大分の視聴者に「良い人感」を植え付けられる。こうすることで大分の理想のパパ像を女性視聴者に植え付け、ファンの獲得、いわゆる婦人部の結成を目論む。そう、ゲスアナに僕はなりたい。
「いい笑顔だね」なんていって親指を立てる。声かけ事案への決意をしたキッズに対して「ブザー鳴らして警察に通報しちゃえよ」なんて余計なことを言って、翌日あたりにネットニュースを賑わせるアナウンサーになる自信がある。しかし田中アナにはそれがない。僕のような下心がない子供を守る大分アダルトだ。
ニュースを伝えるのがアナウンサーの仕事と定義付けている人には、「余計な一言」と片付けられることも多いだろう。そういった何と戦っているのかわからない苦情が僕にも何通も来る。何度も言うが、そういった苦情はNHK大分に言わなければ解決しない問題であるが、僕はもう少し方向性を変えるうがった見方を提案する。こういう見方も子供たちとの向き合い方として、大分に貢献できると思うのだ。
忘れてはいけない。大分市は待機児童全国ワースト8位である。たとえ田中アナや、僕のような下心丸見えゲスアナが子供に対して優しさをみせたとしても、待機児童問題を解決できるわけではない。ただその問題を生んでいるのは、不寛容さでもある。保育園設置問題ではこれが大きい。
子供との向き合い方を何でもないニュースのなかに盛り込んでいくことで、無意識に大分県民の意識に組み込むことができる。一種のサブリミナル効果だ。いうならば田中アナの子供に対する優しい一言は、無意識に貼り付く大分県の子供との向き合い方に対する優しい陰謀のようにも見えてくる。
僕はマスメディアの仕事は権力の監視機関だけではなく、意図するものを汲み取ることも仕事であると思う。だからこそ視聴者も、局やキャスターの思惑を汲み取ることをやめてはならない。
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