大分合同新聞の論説からわかるリベラルが支持を得られない理由

7日の大分合同新聞の論説で、安倍首相の施政方針演説が三権分立の大原則をゆがめていると主張しています。内閣である行政が立法機関である国会へ介入するなといった怒りです。ここにこそ、リベラルが支持を得られない、大分合同新聞がどんなに吠えても大衆の意識は変わらない理由があると感じています。

批判が稚拙になったジャーナリズム

安倍首相の「立法府の長」発言で驚いたという人が多く、それも当然だと思います。驚いた人は賢いです。でも僕は大して驚きませんでした。議院内閣制である以上、行政と立法は近い位置にあります。安倍首相は内閣総理大臣であり、国会議員であり、与党の党首です。この側面がある以上、国会への介入は避けられません。大分合同新聞の主張であれば、内閣立法も国会への介入ということになります。

内閣立法は内閣から国会へ提出したあと、手続きを経て審議が始まります。以前こんなことがありました。安倍首相は2015年4月にアメリカ上下両院で行った演説で、法案の成立を宣言したことがあります。その点、迂闊な首相だと思います。

理想的と言われるアメリカの三権分立は独立していると言われていますが、その弊害もあります。2期目のオバマ前大統領は議会を掌握できないことから、法案はことごとく潰されてきました。理想と言われていますが、いろいろと問題があるシステムであるのは明らかです。何のための国民から選ばれた大統領であるのか?大統領選挙の大原則をゆがめていることになるでしょう。

日本では内閣は国会に対して解散権があり、国会は内閣に対し不信任案決議ができます。それをリベラルの人たちは監視というでしょうが、行政と立法の位置が近いと主張する僕の反論であれば介入です。まさに立場が異なる者同士の学術的な議論に終始してしまうのは明らかです。終わりが見えない議論に時間を費やし、言葉遊びに顔を真っ赤にしているのが今のジャーナリズムと感じています。

権力の監視機関としての批判という作業であり、このプロセスを否定するつもりはないですが、それでは大きなうねりを生むのは難しいでしょう。このような帰結する場所を見つけられないもので批判をし、権力と立ち向かっているような素振りをみせるのが大分合同新聞でもあります。

大分合同新聞のロジック

以前東西南北でこんなことを言っていました。野党が共闘すれば安倍自民に勝てる。よって選挙システムに欠陥があると。参院選前の発言であり、実際共闘というかたちでそれは実現しましたが敗北しましたよね。

たとえば大分合同新聞が望む「選挙システムそのものの改革」による選挙によって、国民が現状を変えることは可能です。ほとんどのケースが国民の支持を得た政党の国会議員である党首が総理大臣になるのですから、ここで内閣による国会へ介入する事実が存在します。この時点で論説のロジックは崩壊します。首相が国会へ介入するなと言われても、まったく響かないことは明らかでしょう。ロジックの帰結がいつもフワフワとしているから、大分合同新聞の主張やリベラルの発言がまったく理解できないのです。

また気になる点もあります。論説にはこんなことが書かれていました。

天皇陛下の退位を実現するための法整備を巡っても、安倍首相は衆参両院議長に直接、与野党の意見調整を要請する異例の対応を取った。目指す陛下一代限りの特別法での対応に向け、各党の理解を求める狙いからだ。安倍首相の要請前に、大島理森衆院議長が与野党幹部に「立法府の主体的取り組み」として議論を進める意向を表明し、体裁を整えたが、今後、同様の問題に対処する場合や憲法の天皇関係条項、皇室典範を改正するに当たっての前例になるのだとすれば、国会の自立性、自律性が損なわれることになりかねない。(7日大分合同新聞論説から)

安倍首相は三権分立の原則を破っているわけではなく、しっかりと手続きを経て審議に入ろうとしています。確かに体裁を保ったように見えますが、大分合同新聞が主張する首相の国会への介入というのは許容範囲であり、そしてただの妄言であり妄想の一種です。実際、論説は自分たちでそれを認めています。これではどんなことを言っても空虚であり、理解は得られないでしょう。

正しい共通認識とは

磯崎先生のブログ(2月8日)に、共通認識について書かれていました。磯崎先生がいうように議論には共通認識が欠かせません。国民が願うのは、日本が良い国になってほしい。しかし大分合同新聞やリベラルはとにかく安倍政権を倒したいが共通認識となっています。これを全面に押し出すからこそ、リベラルの閉塞感が生まれるのではないでしょうか?

もっとその先を議論しなければならないことがあるはずです。

圧倒的なシェアを誇る大分合同新聞と我々大分県民との共通認識がどこにあるのか?そこを自ら問い直すことによって、骨太なジャーナリズムが生まれると思います。安倍政権をジャーナリズムとして倒したいのであれば、まずは野党批判から始めるのもひとつの方策。

そうすればおのずと野党も対案を出さないといけなくなります。くだらない国会への向き合い方をやめるようになるでしょう。そうすれば活発な議論が生まれやすくなる。民進党にとってもメリットです。政権打倒も見えてくるようになるでしょう。こんな圧力の掛け方も、ジャーナリズムしかできないことだと思うのです。

さまざまある三権分立の学術的な見解があるなか、教科書通りの見解を論説に掲載しても、政局や国民の意識は何も変わりません。こんなことでしか批判できないようであれば、安倍政権を倒すことなんてできないでしょう。

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