9回に追いつかれ延長戦。幾度のピンチとチャンスが双方のチームに訪れ、そして12回表明豊は3点のリードを許しました。その裏2アウトまで追い込まれ、初戦で見せた劇的なドラマティック明豊はここまでかと思いきや、追いつき、そして押し出しサヨナラ。ベスト8進出です。
9回表ゲームセットとなるはずだった平凡なセカンドゴロがイレギュラーをし、そこから同点に追い付かれました。噂されている甲子園の魔物が明豊に襲い掛かったかと思いきや、けっしてそうではなかった。双方とも2アウトからの劇的な展開。魔物も一方的な追い込みをしないことがわかりました。僕はニーチェではありませんが、甲子園の魔物は平等に無慈悲を与えることを確認できた試合でした。
12回裏、同点2死満塁の場面。ここに究極の心理戦があったと感じます。好打者浜田選手に対して神村学園ベンチが動きます。ファーストとサードを交代させる。どんな意図があるのか解説者も説明しませんでしたが、浜田選手に対して警戒をしている意図は明らかだった。間を与えて落ち着かせること。流れをなんとかして一旦切りたかった。采配をする側ならこの感覚はどんなスポーツでも共通しています。
ただ神村学園は変化球主体の配球になることから、ストライクがとれない。3ボールから1球浜田選手は当然のように見送る。1ストライク3ボールで勝負に出るかと思いきや、手を出さず今度は浜田選手が追い込まれる。そして勝負を決めることになるであろう1球。神村学園のキャッチャーがミットを落とすほど欲しかったストライクは外れ、押し出しサヨナラ。
この対浜田選手、大分と鹿児島マスメディア共同でその心理戦の背景を知るなんて興味深い企画になるだろうなと感じるほど、究極の心理戦があったと感じます。この場面の裏側に目を向けると極限のプライドのぶつかり合いがあった。究極の心理戦を見たと感じます。また双方のチームとも2死から展開を生みました。野球は2アウトからとはよく言ったものです。
地方大会でもNHK大分のカメラマンが相手校の攻撃中にも関わらず、明豊チアを映したくなるほど今日の試合も女神でかわいかった。明豊チアは全国でも屈指と言われるほどです。甲子園を別の角度からみる人たちの評判は、優勝候補とも言われるようになりました。ここでも明豊に対しての応援を得ることができる。
明豊のチアがかわいいのは間違いないのですが、試合をしているのは選手たちで主役を譲れません。しかし甲子園って高校やその地域の総力戦です。九州・沖縄が1校だけになったことから、今度はそちらからも応援を送ってもらえることも多くなるはず。明豊に目を向けられる数が増えるほど、ドラマティック期待値が高まるような高校のようにも思えてしまう。
どうしても脚本が存在しているかのようなドラマティック明豊の夏は続きます。
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