大分トリニータのホームスタジアムそしてラグビーW杯で使用されるスタジアムが、大分銀行ドームから昭和電工ドーム大分に変わることになりました。
大分合同夕刊自転公転には手放しで喜ぶ文字が踊っていましたが、疑問視している大分トリニータサポーターもちらほらと見受けられます。
学識経験者による選定委員会の協議。県によるネーミングライツ審査結果表を凝視すればするほど、その協議と審査は不明瞭であり透明性を欠いているように思えるのです。
ラグビーW杯に向けたネーミングライツ争奪戦を演じたのが大分に本社を構えるファミリーレストランジョイフル。大分でお馴染みの企業になります。昭和電工は1969年に大分で石油コンビナートの営業運転を開始しており、こちらもお馴染みであり大企業です。
配点が高い希望金額で満点をとったジョイフル
今回のネーミングライツの審査で最も配点が高いのが希望金額の多寡。
そこでジョイフルは選定委員会から満点をとっています。しかし学識経験者からジョイフルが評価されたのは「金額」の項目だけです。
大分県に本社を構える企業より、大分で50年近く地域貢献している大企業を優先した。大分県民からみれば、地元企業を大切にできない大分県が透けて見える出来事のようにも映ります。
そのもやもや感の淵源となるのが、審査結果の不明瞭さです。
企業項目の妥当性と名称項目の不当性
経営の安定性・資金力でジョイフルが昭和電工に負けるのはわかります。大分の貢献度は上。パートナーシップ事業として多数の従業員を抱える優位性。
忘れてはいけないのが国際的な認知度。ラグビーW杯があることから、ジョイフルよりも妥当な評価になると感じます。昭和電工は積極的に世界的規模でM&Aを試みていますので、国際的の観点から評価されたのでしょう。
しかし名称項目の評価に関しては疑問を呈します。県民への親しみやすさが、ジョイフルが昭和電工に負けていることには驚きました。
個人の感覚になりますが、「ジョイフル大分スタジアム」もしくは「大分ドーム・ジョイフル」などのほうがしっくりとくる。ワクワク感を覚えます。スポーツの親しみとしては昭和電工に負ける要因がないように感じるのです。
政治とスポーツは切り離すべきですが、昭和電工ドームなんて言われるとどこかの国から「昭和に傷ついた!」とクレームを受けるかもしれない。
大切なことですので明確にしておきますが、昭和電工さんの会社名が悪いのではありません。悪用されることを懸念しているだけです。勝手にストーリーを作り上げず、書いていることだけを読んでください。
邪推としてある穴見議員のがん患者に対する「いい加減にしろ」
100点満点中、昭和電工が85点獲得、2ポイントでジョイフルが負けることになりました。金額配点で9p差をつけたジョイフルですが、地力にまさる昭和電工から企業項目で追いつかれる。
そして不明瞭な「親しみやすさ」などの名称項目で2p差を付けられて、ジョイフルが負けたことになります。
「拮抗した」
そんなイメージを県は県民に持ってほしいのでしょうが、不自然さしか感じません。まるで大分県教委汚職事件のように得点を操作するような“調整”。ジョイフルの優先交渉者漏れは自民党穴見議員のがん患者に対する「いいかげんにしろ」が響いたのではないか?
親しみやすさからみれば、負ける根拠となり得るでしょう。
この件について県は明確に述べて構わないと思います。イメージの問題ですから、県は主張するべきことはするべき。ただ政治とスポーツを切り離す視点を持った時、「いいかげんにしろ」という人が出てくることは避けられないでしょう。
そもそもジョイフル名でがん患者に「いいかげんにしろ」と言ったわけではないのですから。がん患者に人格否定をしたのは穴見議員です。
本丸としてある広瀬知事の拭いきれない大分トリニータへの不信感
木村元彦さんの溝畑社長を書いた本でも、広瀬大分県知事とトリニータの相容れない関係が取り沙汰されています。著者と知事が直接対決した時、知事はうまく逃げている印象を持ちました。だからこそ書かずにいられない。
今回のネーミングライツ案件も広瀬知事の大分トリニータに対する不信感の表れとしてみると、しっくりこないこの審査結果を説明できます。
小室ショックやワンマン溝畑ショックのこともあり、スポンサーの安定はトリニータのテーマです。そしてクラブとスタジアムの一体化は命題です。
自民党と近い知事でありますが、大分を守ることを先決した。ネーミングライツで問題を起こしたくない。その意向から、より安定性を求めた結果が昭和電工だった。
学識経験者云々ではなく、鋭利な感性を持つ知事の意向として、政治決断は審査前からあったのではないか?それがお金ではない県の意向に姿を変え、まるで得点調整をしたような2p差として結果になった。
モリカケ大好きマスメディア的に書けば、長期的な大分県発展の観点よりも自身が尽力したラグビーW杯を成功に導くため「昭和電工ドーム大分」が誕生したとも見えてきます。
審査表の配点に詳しい説明と得点の透明性を
苦しいときの大分トリニータを支えた企業がホームスタジアム命名権で破れたショックは大きいと感じます。
配点はまるでジョイフルを選ばないために作られたように感じます。ネーミングライツで肝心の親しみやすさに100点中10点の配点、呼びやすさで昭和電工よりジョイフルが負けるなんて、不可解だと思いませんか?
だからこそ審査における透明性を県に求めたい。特に名称項目の妥当性について学識経験者がなぜこのような評価をしたのか?項目の配点比重についても説明を行うべきです。
疑問や邪推が勝手にストーリーを膨らませて昭和電工ドーム大分が誕生し、ラグビーW杯を迎えるのは残念だと感じます。
今後あのスタジアムが県民にとってどんな存在になるのか?これは大分における重大な課題でもあります。だからこそ昭和電工ドーム大分決定の過程について詳しい説明を県は行うべきであり、僕たち大分県民は求めるべきです。
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