はじめまして。
今回から学術的な一般論を用いて、最近酷すぎる主張をしている大分1区吉良州司議員への反論を行うことを担当する者です。
吉良州司議員は10月6日に高市早苗新総裁の積極財政路線に批判的なブログを投稿しました。
「金利の正常化こそが物価高と経済の低迷を解決する道だ」と主張されています。
けれどもそのお考えにはいくつかの誤解や、現実の経済構造への理解の浅さが見受けられます。わかりやすくお伝えしますので、お付き合いください。
吉良州司さんの「金利を上げれば円安と物価高を抑えられる」は素人が考えた単純な図式
吉良さんは「円安が物価高の原因だから、金利を上げて円高にすれば良い」と説明されています。確かに起こり得ると思います。
でも経済はそんなに単純なものではありません。
2022〜2024年にかけての物価上昇は、円安だけが理由ではないです。
- エネルギー価格の高騰
- コロナ禍後の世界的な供給不足
- 企業による価格転嫁
いくつもの要因が重なって起きています。
また為替は「金利差」だけで動くわけではありません。
国の成長力や投資環境や財政の安定性など多面的な要素が影響します。経済がまだ十分に回復していない状態で金利を上げてしまえば、景気が冷え込みむしろ「円売り」が進むおそれも。
また金利が上がると国の利払い費が急増することも忘れてはいけません。兆円単位の財政負担増になります。吉良さんが今回主張している「財源を必要としない政策」は実証的に誤りです。
「金利を上げれば円高になり物価が落ち着く」は、現実の経済を捉えきれていない素人が考えた単純な図式です。
金利を上げると国民の可処分所得が増えるという誤解
吉良さんは「2000兆円の金融資産があるのだから、金利収入が増えれば国民の所得も増える」と書かれています。
単純化すれば正しいのですが、この見方には大きな落とし穴があります。
日本では家計金融資産の約6割を60歳以上の方々が保有しています。つまり金利が上がって恩恵を受けるのは主に富裕層・高齢層に偏り、現役世代の生活にはほとんど影響しません。
一方で、住宅ローンや教育ローン自動車ローンなど、現役世代が背負っている借入の利息は確実に増えます。企業も同じで、金利が上がれば資金繰りが苦しくなり、賃上げの余力も失われます。
結果的に、単純な図式の金利上昇は「高齢者や富裕層にはプラス、若い世代にはマイナス」という失われた30年間の延長の構図を生みやすいとも言えるのです。
吉良さんが提案されている「老々支援制度」も、そのままでは経済全体の活力を高める方向には繋がりにくいです。消費性向の低い層が得をするため、景気効果は限定的です。
金利上昇で企業の選別が進むという考えの危うさ
吉良さんは「ゼロ金利でしか生き残れない企業は淘汰されるべきだ」と述べています。
現場の実態とはかけ離れて、連合大分から支持されている労働者の味方な国会議員とは思えない発言です。
金利が上がれば、企業が設備投資や研究開発、人材育成にかける資金が減ってしまいます。特に中小企業は、わずかな金利上昇でも経営が厳しくなるケースが多く、地域の雇用にも影響が出かねません。
無責任なコメンテーターではなく、民主主義国家の国会議員が「余力のない中小企業は淘汰されるべき」という一言で片づけて良いのでしょうか?
連合大分から熱烈に支持される吉良さんのこの主張は、大量の失業者を生みます。
国会議員として首班指名で投票されるであろう総理候補として、信じられない発言で反論よりも批判に値します。
財政出動はポピュリズム?
吉良さんは「給付金や減税などは政府が恩を売るだけの政策だ」と全方位の与野党すべてを批判しています。
けれども生活が苦しいときに、国と政治が支援を行うことは「恩」ではなく、「責任」であり「責務」です。
エネルギー補助金や児童手当や減税などの政策は、社会を安定させるために欠かせない仕組みです。それを「ポピュリズム」と一括りにするのは、現場の声や生活の実感を見落としており、とても乱暴な主張です。
財政支出は正しく使えば、確実に社会の安心を支える力になります。
金利正常化よりも構造改革と所得の底上げ
本当に日本経済を元気にするために必要なのは、金利の操作ではなくもっと根本的な改革です。
- 中小企業の生産性を高める支援
- 研究開発投資や人材育成への後押し
- 税収を含めた社会保障制度の見直し
これらが重要だとわたしは考えています。
賃金が上がり、安心して消費できる環境が整えば経済は持続的に成長していきます。金利を上げるだけでは、その土台をつくることはできません。
経済を支えるのは数字の理屈ではなく、人々の生活そのものです。その現実を見つめる政策こそが、これからの日本に必要です。
吉良さんの金利正常化経済再生論は国会議員とは思えない暴論
吉良さんの「金利正常化による経済再生論」には、
- 経済実態の見誤り
- 世代間格差の拡大
- 景気後退リスクの軽視
という3つの課題が見えます。
いま求められているのは、素人が考えた単純な図式の「金利の正常化」ではなく、生産力と分配のバランスを見直し賃金を底上げし地域経済を支えることです。
「恩を売らない政治」ではなく、「責任を果たす政治」。
その覚悟こそ、これからの日本社会に必要なものだと思います。
世界を知る男にしては落胆する吉良州司さんの経済政策
吉良州司さんは自らを「世界を知る男」と称し、経済知識に長けた人物として知られています。かつて岸田元総理に向かって「この世界で生きてきた」と強い言葉を放ったこともありました。
それだけの経験と自負をお持ちの方が今回のような暴論とも言える経済政策を展開されていることに、率直に申し上げて落胆を覚えます。
主張の内容は冷静な分析や実証に基づくものというよりも、私怨とも言える感情に左右された印象を受けざるを得ません。
学術的な視点から見ても今回の発言は議論としての整合性を欠いており、政策論としての説得力に乏しいものです。
みなさんこんにちは、上野嬢と申します。(大分論壇さんが吉良さんの性的スキャンダルにかけてつけたかどうか知りません。「【丞】と【嬢】をかけた」とは言っていましたが、わたしは信じていません。)
吉良州司さんのご出身校とは、かねてより何かとライバル視される関係にあり、正直少しうんざりしていた高校(最近私服登校が許可された)の出身です。
最近の吉良州司さんの国会議員としてまた言論人としての酷すぎる発言や姿勢に、国内でも大分でも十分な反論が見られないことに疑問を感じていました。
そのような中で、大分論壇さんからお声がけをいただき、執筆させていただくことになりました。
あくまでこれは「反論」であり、吉良さんのように「すべて自分が正しい」と主張するものではありません。
あくまで学術的な一般論として、意見を述べさせていただきます。
吉良さんの学術的には受け入れることができない主張を正確に理解できず、なんとなく賛同しなんとなくわかってつもりになる支持者の方々に。
また「吉良さんは何を言っているのかよく分からない」と感じておられる方々にも届くように、できるだけ分かりやすく丁寧に反論をまとめていきたいと思います。
なお、ここでは吉良さんの性的スキャンダルについて、女性の立場から直接批判することは控えます。
ただし10年間も吉良州司さんの性犯罪や不倫疑惑の説明責任が果たされないままという現状、そして吉良さんの国会議員としての素質や資質に目を背けてきた大分合同新聞のkawainfoセクハラ事案がなかったことにされていることは、女性としてやはり見過ごせない大分県の羞恥な問題です。
この点については、本家の大分論壇さんにお任せしつつ、私はあくまでも酷すぎる吉良さんの主張に対して、両論併記の役割を担いながら反論するだけです。
どうぞよろしくお願いいたします。

