僕は良識ある大人だ。
女子高生の甘い匂いで理性を失うことなく、いわゆる「おごり」を体験したくなった。大胆な告白が女の子の特権であれば、誘われた女の子におごるのは僕の特権。
彼女の断りを振り切り、もう一度コンビニに入る。
僕の計算では15分の帰路。彼女は「20分掛かるみたいですよ」と言う。そのお供に「何でもいい」と言ったものの、彼女はためらうこともなくアイスを選択する。
そのチョイスが凄かった。
カップのアイスを選択し、僕はミルクのアイスバー。店員さんがスプーンをつけようとすると「いりません」と言う。
「大分のグレタちゃん」と僕の中で呼ぶことに決めた。
ビニール袋有料化で手の中に収まるカップのアイス。彼女はきっと家に帰って食べる選択をしたのだろう。なんだか強引におごりに誘ったことを反省する。
しかし彼女の構想は違った。コンビニから数歩出て言う。
「スプーンを断っちゃいました。でも歩きながらカップのアイスを食べるなんておかしいですよね」と照れ笑いをする。
歩きながらアイスバーを選択する大人も居ることを伝え、テンパっている彼女を「エコJK」と適当な言葉で大分のグレタちゃんを励ます。
そうして僕らは自粛警察の取り締まり対象の共犯者となった。
僕だけ食べるわけにもいかないので、ミルクのアイスバーを彼女に差し出す。そうするとスプーンなしのカップのアイスを僕に渡そうとするから、パーツが足りないことを伝える。
「スプーンがないのに交換するとか、恥ずかしい」。体温があがったのか、甘い匂いを強く感じる。
なんてかわいいのだろう。
「お嬢ちゃん、おうちで食べなさい」の意気込みで、彼女が手渡そうとするアイスを断った。「帰ってから冷やして食べます」と掌の温度がアイスに伝わらないように彼女は持ち替えようとするので、僕の葛餅の袋に入れてあげた。
ミルクのアイスバーを食べながら彼女が言う。
「ミルクが好きなんですか?わたしのお父さんも乳製品好きなんです。男の人って牛乳好きなのかな?」
彼女の感性が僕のわがままな感性と完璧にシンクロした瞬間だった。
おっぱいと書いただけで税金で表現の自由を奪われた経験を持つ僕が、「男の人って牛乳好きなのかな?」で喜ばないはずもない。
「ヨロコビムカエル」。
「お父さん、僕はあなたよりも乳製品が好きです」そう伝えてほしい気持ちを飲み込みながら、良識ある大人の反応で返答したはずだ。
正直何を言ったのか覚えていない。
女子高生の甘い馥郁のなか、パワーワードが出てくる奇跡の空間「理性崩壊ラッシュ」を確認。ニヤつきたい気持ちを抑えながら良識ある大人を僕は演じる。
特定野党支持者の護憲派教育者が、税金を使って「私費で行う表現・思想・言論の自由」を侵害できる大分県。
これらの自由は憲法で保障されている基本的人権の根幹です。
公務員を想起する特定野党支持者の護憲派が憲法を知らない絶望的で恥辱的な大分県に、表現・思想・言論の自由は本当に存在しているのか?
だからこそ挑戦したい企画・「oitaが過ぎるでしょうか?」。不定期連載。
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