JR九州ダイヤ改正の減便・廃止に対しての大分各市町村首長の意見がおこがましい

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JR九州ダイヤ改正の減便および廃止に対して、大分市町村の首長アンケートが大分合同新聞に掲載されていましたが、18人中14人が減便・廃止に否定的な答えを出しました。これに対して「傲慢過ぎないか?」と思うのです。

確かに都市インフラを整備する責務が首長にはあります。固定資産税の減税など恩恵を受けているのに、JR九州として公共交通機関の責務を果たすべきという気持ちも理解できないわけではありません。しかしJR九州の気持ちも理解できる。

そもそも国鉄時代に赤字路線を国に建設させられ、民営化した今もそれを背負わされている。国鉄時代は副業も禁止されていたけれど、大分駅ビルを代表するような「エキナカ」などで黒字経営ができるようになりました。赤字路線はそれで補っているのも事実。去年の衆議院選で希望の党が企業の内部保留に課税する案を出しましたが、安倍政権下でも麻生財務大臣が内部保留を働く人に分配することで景気回復を実感できると発言しています。JR九州もこの判断を迫られるでしょう。この民間会社も社員を守る義務と責務があるのです。

ではどうでしょう?否定的な14人の首長の自治体が赤字路線を肩代わりして運行しましょう。僕は断言できます。必ず反対するはずです。その財源がないし必ず頓挫する計画になるでしょう。それなのに行政が民間企業に赤字運営を迫るのですか?もうこわい。

一方的にJR九州の減便・廃止を批判するのはおこがましいのです。沿線を抱える当事者とは思えない発言だと呆れています。

そもそも赤字路線だった沿線に、さらに少子化が加わる。改善する見通しはない。少子化を生んだのがJR九州であれば責任をとらせるべきですが、これは自治体や国の問題です。自分たちが身を削ることができないのに、民間企業であるJR九州を「公共交通機関の責務」だけで批判するのはフェアではありません。九州の自民党議員も批判していましたが、「口先だけじゃなくて公共交通機関の責務を果たす法案くらい作ってみろよ」とケンカを売りたい。岡山のバスでも赤字路線を切り捨てる問題が起きていますので、ある程度赤字路線を背負わせて、いまのような減税などの恩恵を与える法整備が必要と感じます。

自治体がJRに寄付をしてはいけないといった地方財政法がありましたが、民主党政権時に廃止になっており、自治体が自主的に寄付できます。否定的だった14人の首長はこれに参加することが可能です。そんなに「地元の声」を叫ぶのであれば、身を削るべきです。たとえば減便・廃止する便は運賃を値上げして、自治体が補填する。こんなこともできるのですが、ただ財源の確保が難しい。建設的な案ではありません。14人の首長のような建設的を案を出さないのも、フェアではない。だからひとつモデルケースを提示しましょう。

福島のJR只見線が2011年に行ったケース。福島県とJR東日本は復旧することを基本合意しました。これは大雨で不通になったJR只見線を復旧するために、被害に遭った疲れている自治体だけではなく福島県も加わり、そして非沿線自治体も参加して漕ぎつけた基本合意です。

これを大分に当て嵌める。大分県と各沿線の市町村が「ある程度の負担をしてでも鉄道インフラを守るよ」という意思表示をすれば、JR九州もひざを突き合わせてくれる可能性が高い。「大分県鉄道インフラ推進会議」のようなものを作れば、今回大雨で不通となった日豊線や日田彦山線の復旧も、JR九州だけに押し付けずに円滑に進めることができます。

これは未来像が膨らみます。日豊線であれば宮崎の自治体、日田彦山線であれば福岡の自治体になりますが、最終的には九州全土で広がれば、沿線を守ることに繋がる。財源が乏しい老い疲れて案も出すことができないどうしようもなく情けない首長がいる自治体だけに負担を強いることがなくなります。道州制の第一歩です。

ただしそれだけの価値が該当する沿線にあるのか?そのリカバリーを経済効果として証明する力が14人の首長の自治体に求められることは言うまでもありません。抜本的な解決策を提示しないまま、JR九州を批判するというのは首長としての責任を放棄しているだけです。厳しいことを言いますが、こんな14人の首長を選んでも街は変わりません。

今回の大分市町村の首長から出たJR九州ダイヤ改正減便・廃止への批判は、街の未来像さえ明確ではない危機的な表れだと感じています。それを大分マスメディアの大本営である大分合同新聞が一緒になってやっているんですから呆れています。

これで問題解決できれば良いですが、JR九州もそこまで甘くはないでしょう。「特にコメントすることがない」から「一部計画を見直し」と態度が軟化しましたが、JR九州を本気にさせるには「14人の首長」のような人物では、次は沿線廃止が現実味を帯びてくるでしょう。

「鉄道インフラを守るために14人の首長は何ができますか?」。僕らはこの問いを大分の首長に向けなければいけません。

頼むから建設的な主張を首長はしてほしい。

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