おおいた動物愛護センターの猫8割殺処分と地方議員の役割

開設半年で緊急事態のおおいた動物愛護センター。理想は儚いことから、この施設が出来たとしても殺処分は免れません。だからこそ人間への啓発として誕生したのも、この施設。

「命の花」と名付けられた施設内の花壇は、殺処分された犬・猫の骨を土に混ぜて花を育てています。年間県内では2千匹以上が殺処分されていると言われている猫。その改善のための施設でしたが、収容された8割が殺処分されています。

僕ら大分県民は、施設内花壇の整備・増設を行っている。向き合いましょう。

行政の支援がなければ抜本的解決はできない

大分市と県の共同施設であるおおいた動物愛護センター。佐藤市長そして広瀬知事の絆としてパスポート窓口同様、県都と県の協力体制が整ったシンボルとして語られています。小さな命を救うことに力を入れれば、そのまま支持率に結びつくのですから戦略としても十分。

ただ甘さがあった。ハード面を整えてもソフト面が追いついていないことを予見できませんでした。

抜本的解決を図るのであれば、まだまだ行政の支援が足りません。

おおいた動物愛護センターの役割を県民は理解できていない

「保健所は殺処分されるけれど、動物愛護センターであれば助けてもらえるのではないか?」。これが大きな誤解。

おおいた動物愛護センターの役割として4点。

  • ペットを飼育するには責任が生じることを啓発する
  • 動物福祉の教育と人間と共生する意識を養う
  • 収容された犬や猫の返還と譲渡
  • 災害時緊急時被災動物の避難救護活動

このセンターが持つ役割を理解することが、ソフト面の充実を図ることに繋がります。

自宅で飼えない人もここでなら動物と触れ合うことができます。飼う選択肢を持たなくても、誰でも気軽に楽しめる施設だと開設当初から市と県がそう言っているのですから、無理して飼う必要もありません。

この施設の目玉は動物の避難救護活動。この点にこそ、この施設の大きな意味があるのですから、ここが非常事態となると緊急時に助けを求めるペットたちが困ってしまいます。人間の身勝手で埋める施設ではありません。

まずこの4点の役割がおおいた動物愛護センターにあることを認知させることを、徹底するべきです。

人間の都合で捨てられ、繁殖し、保護され殺処分を待つ場所ではないことが要約となります。

ボランティアに丸投げが続く動物愛護運動

政治的戦略があったとしても、大分県は良い施設を作りました。しかし動物愛護において行政が今まで何をしてきたのか?ここも理解を深めておきましょう。

関東の県知事が「殺処分0匹になったぜ!」と喜んでいましたが、ほとんどボランティアに丸投げしている状態です。繁殖させないための避妊手術費用のほとんどはボランティアに丸投げ、地域猫の費用もボランティアの良心で成り立っていることがほとんどです。

行政が指導している地域もありますが、実態はボランティアに丸投げで成り立っているのが動物愛護運動です。

動物の命を守った実績は票に繋がりますが、実態は首長と行政がいいところどりをし、負担を強いられるのはボランティア。ここも変えていきましょう。

ボランティアがしっかり活動できる資金を行政に求める。結果的に繁殖を抑えられることから、センターに収容される猫を抑えることに繋がります。

政治の観点からみる大分猫の殺処分問題

「猫を救いたいのでお金をください」と言っても自治体そうそうくれません。税金で人権侵害をする教育者が大分大学にいるのに、大分合同新聞が描き幅広い人達が愛でるいわゆる“県民猫”を救うために、税金を使えないなんて儚いですね。

だから現実的に動きましょう。

動物愛護に力を注ぐ地方議員を誕生させる。支持者の意向を組むのが政治家の仕事になり、民意として成立していることから意義はあります。

たとえ1人であったとしても、動物の命は票に繋がることから会派を超えて議員が考える問題として、議会を刺激するでしょう。ボランティアの資金集めと教育そして人員増員が求められますが、猫との共存意識も加速することになり、施設の意義も県民への浸透に期待できます。

地方選挙と動物愛護が絡む大分を

地方選挙の投票率が年々低下していますが、この結果は動物愛護に影響を及ぼす事になったと考えれば、地方選挙も街づくりとして重要な使命を果たすことがわかるでしょう。

おおいた動物愛護センターの誕生は大きな価値がありますが、役割としては不十分であることを県民が仕上げました。この皮肉から開放され充実した施設を求めるのであれば、動物愛護運動に関心が高い議員が必要。

こんな議員の誕生は、市と県が作ったおおいた動物愛護センターの監視という二元代表制の議会を作り上げることにも貢献します。

猫の殺処分に涙を流すのであれば、持ってほしい行政へのアプローチ方法です。

大分言論
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