それは素晴らしい映画のクレジットタイトルのような余韻を残す演出でした。
甲子園を目指した大分県内の高校野球部マネージャーの名前を男女問わずテロップで流したOAB。
ひょっとしたらもう前からやっているのかもしれませんが、影で支えている人たちに感謝する球児たちの気持ちに触れることができる演出として好き。
決勝で破れた大分商業のマネージャーが、泣きじゃくり立てない球児たちの背中に手を添え、言葉を掛けていました。女子マネージャーも溢れる感情があったはずですが、それよりも先に選手たちを労う。
おもちゃを買ってくれないことで駄々をこねる子どもに声をあげる母親。子どもがほしいのはおもちゃじゃなく愛情で、母親が拒むのも我慢を教える愛情。人目も気にせず泣いて怒って愛し合っていると、Mr.Childrenの櫻井さんは歌詞にしました。
こんな母と子の関係性ではないでしょうが、チームとして人目も気にせず愛し合っていることがわかります。誰かが弱っている時に、その状況を冷静に受け止め、自分の役割を理解できている人がいるだけで世界は救われます。
しっかりしているマネージャーがいるからこそ、ノーシードで勝ち上がってきたようにも見えてくる。大分商業の聖母マネージャーはその数時間後に溢れる感情と対峙することになったのでしょうが、それは選手たちが受け止めたのでしょう。
僕だったら「君がいたからここまで来れた」と返してあげて、青春の子なんていう映画でも作ります。
高校野球が感動ポルノなんて言われていますが、こんなシーンを見せられると高校生の力ってすごいなと感じます。
OABがいつから球児を支えるマネージャーの名前をエンディングに流しているのか知りませんが、この視点って嫉妬するくらい素敵な演出だと思いました。
影響を受けたとするなら、大分高校の女子マネージャー騒動でしょうか?高校生が起点になって、それを拾うマスメディアの関係。
誰かから得た推進力で前に進んでいることを確認できた大分にほっとしました。
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