19日の大分合同新聞の東西南北は、新潟知事選で民進党を除く野党3党が推した候補者が当選したことについて、「選挙で示される民意が国にエネルギー政策の転換を迫るのだろうか」と、脱原発派らしく喜びのコラムを書いていた。鹿児島知事選でも脱原発派が当選したことで、確実にその波は来ている。ただ欺瞞に満ちたコラムである。大分合同新聞がしていることは、出鱈目な夢を大分県民の脱原発派に与えているだけだ。
新潟知事選は、民進党を除く野党3党が推薦した候補者が自公推薦候補を破り当選した結果になった。民進党が推薦できなかった理由は、連合傘下の原発推進派である電力総連の存在もひとつの要因。現に今夏の参院選で民進党比例トップ当選した議員は、原発推進派電力総連の総力によって国政に送り出された。民進党の原発に関する表現は「原発に頼らない社会を目指す」となっているように脱原発派のようにみえるが、それは仮面。実は推進派の支持者がたくさんいて、それを民進党は隠さないといけないことを忘れてはならない。
新潟知事選の結果、自由党(山本となかまたち)と社民党から民進党への苦言が出たように、意外に早く野党4党の綻びが見え始めた。民進党が新潟知事選で影を潜めた原発事情は、野党4党が原発に対して足並みがそろっていないことを露呈した結果となった。 そんな野党4党が仮に政権を獲るようなことが起きれば、混乱の政権運営になることは容易に理解できるはずだ。今夏の参院選、その野党4党を担いだのは、権力の監視機関を謳う大分合同新聞社である。
参院選前は、国会中継を見ているとは思えないコラムを東西南北に書いた。「安倍首相は民進党に対して敬意がない」。まともな評価ができる人であれば「どっちもどっち」であるのだが、権力の監視機関である大分合同新聞のジャッジでは「安倍だけ悪い」に変換される。権力の監視機関は、反安倍のスタンスでしか国会を見ることができないので、こんなむちゃくちゃなジャッジになってしまう。そんなジャッジは、こんな大分を構成することになる。
民進党が推薦できなかった事情を隠して新潟知事選の結果を伝える。世論が脱原発のために動いていると大分県民に向けて書くと、こんなことが起きるだろう。仮に現在の自公対野党4党の構図の選挙戦で、反原発派の政権が誕生するとしよう。しかし民進党の特殊な事情が野党3党と一線を画すことになる。「原発に頼らない社会を目指す」を前提にするが、「仕方ないので原発を稼働する」恐れがある。労働組合が母体になっている政党は、代替エネルギーが生まれない限り、原発を棄てることができない。欺瞞で得た脱原発政権は、仕方がないという理由で原発稼働政権へと転換される。
日本人は忘れてはならない。欺瞞で政権奪取した民主党政権のことを。そんなことが民進党政権で絶対に起きないとは言えない理由こそが、新潟知事選の民進党を除いた野党3党の事情である。民進党という看板を野党共闘で隠しながら、自公打倒の蜜を吸う。このように選挙にて原発を利用し、民進党は暗躍するだろう。これも蓮舫代表が描くひとつの自公打倒のシナリオのように感じる。
ひとつ勘違いしてほしくないことがある。知事には原発を止める権限は一切ない。政府や与党に世論として圧力
を掛けることはできるが、それが民進党候補者であれば意味がないのだ。そういう危うい脆弱性を持っていたのが野党4党であったことを、大分県民はよくよく知っておくべきだった。
それを掘り起こすのがマスメディアであったはずなのに、権力の監視機関の解釈を誤まり、反安倍のスタンスでまともな見方ができない報道をし続けた。民進党候補者ではなく、社民党のただともさんや共産党の山下さんであれば、今夏の参院選と大分の結果に納得できたが、足立信也先生ではふさわしくない候補者であったことさえも、この新聞社は書けなかった。それは戦争法案廃止のための候補者としても同じことが言える。意味がない人を国政に送り出した大分選挙区となった。
脱原発派の大分合同新聞は、今夏の参院選で大きな過ちをしたようにしか見えない。19日の東西南北からそのように感じるのだ。まるで蓮舫民進党代表のように、脱原発派として目測を誤ったように見える。現在の野党4党に脱原発を任せることができると、大分合同新聞は胸を張って言えるだろうか?まともな野党が生まれなければ、まともな日本は構成できない。そのまともな野党の性質を測る慧眼を持っていると、大分マスメディア筆頭の大分合同新聞は自負できるだろうか?
今回の東西南北は、熊本大分地震を経験し対岸に伊方原発がある大分マスメディアが書いたコラムとは、到底思えない内容だ。この新聞社から郷土を守りたい気持ちを感じられない。
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