M1決勝直前の金曜深夜に三四郎のラジオに駆り出されるモグライダーに予感があるのですが、それでも2021年M1決勝で応援したいのが錦鯉です。
そんな錦鯉の本「くすぶり中年の逆襲」を読みました。
みなさんも読了して、なにかしら発火するでしょう。
もう発火した錦鯉の本「くすぶり中年の逆襲」
去年のM1は「漫才なのか?」論争があったようですが、単純に面白いで挙げるのであれば錦鯉でした。
くすぶっていたふたりはそれからブレイクという発火をしたのですが、それまでの過程が描かれているのが「くすぶり中年の逆襲」です。
漫才形式で語られていますので、とてもテンポが良いです。2時間ほどで読了する読みやすい本でした。
もちろん面白いです。
おじさんがようやく相方に出会うおはなし
去年のM1で、ずっとコンビを組んでいてようやくブレイクしたように紹介されていましたが、そうではないことがこの本で書かれています。
なにかと標的にされる「おじさん」がもうひとりのおじさんと出会うおはなしでもあります。お笑い界における商業的おっさんずラブのような運命ですね。
浅草キッドに「他に道なきふたりなのに」とあります。この浅草キッドの歌詞を思い浮かべると、お笑い界の優良出会い系を想像して胸が熱くなります。
渡辺さんの気配りができる貪欲な営業リーマンっぽさが好き
まさのりじゃないほうの髪があるオッサンが渡辺隆さん。
どんなコンビにも優秀な参謀がいますが、錦鯉でいえば渡辺さんです。気配りができる貪欲な営業リーマンっぽさが好きです。
まさのりの頭を叩くときは「特殊な訓練を積んでいる」ことが書かれており、「良い子は真似したらだめ」と注意書きがあります。
誰も傷つけない笑いや痛みを伴わない笑いなど、最近の日本で顕在化されている「当事者を排除した鉄槌の正義」に晒されているのもお笑い界。
気配りのようにも見えるけど貪欲な意図を持った発言のようにも感じて、僕はこういう人に惹かれるのです。
この人に営業成績をつけてあげたい。だから2021年M1決勝で応援します。まさのりもがんばれ。
ウケてないとスベっているは違う
詳しくは錦鯉の本「くすぶり中年の逆襲」読んでいただきたいのですが、「ウケていないとスベっている」は違うことを渡辺さんが解説しているのは興味深い点でした。
去年のM1のパチンコネタについて松本人志さんから「よくわからなかった」とありましたが、ジャグラー(パチスロ)しか打ったことがない僕からすれば十分伝わり大笑いしました。
この辺がプロとお客さんの視点の違いのようです。
実際バイきんぐの小峠さんからも怒られ、悔しがられたエピソードがあります。
「ウケてないとスベっている」の違いを知ると、芸人さんを見る感性が養われる予感です。
錦鯉くすぶり中年の逆襲の艶文
オッサンにはオッサンの存在意義がある
錦鯉「くすぶり中年の逆襲」から
必ず漫才でもトップに立つ。この目標を忘れずに、これからも隣にいるバカなオジサンの頭を引っ叩いていきます。良い子のみんなはマネしちゃダメだよ。
錦鯉「くすぶり中年の逆襲」から
「中年の星」と見られるのを嫌う渡辺さんからです。
こんなオッサンがお笑い界の年末ビッグイベントに挑むわけですから、やっぱり表現の自由は素晴らしい。
教育者が税金で表現の自由を侵害しても問題にならない大分のすべての図書館に置いてほしい一冊と推薦します。