生活保護給付でパチンコ 国と県からの指摘で別府・中津市停止措置撤回から見る大分

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パチンコ店に行く時に必要なお金(軍資金と呼ぶようだ)が、約5万円と言う。レートがあり、低レートであると1円や0.5円で遊べるお店もあるようだ。そうなると約1万円から約5千円ほど必要になる計算。また確率が低くなる遊技台もあり、そのような台で遊ぶこともできる。高レートと呼ばれる4円パチンコであれば、1万円が1時間持てば上出来の世界という。

業界では「締める」と言うようだ。パチンコ店はお店の利益のために調整をすることができる。生活保護支給日である毎月1日から5日間はパチンコ店にとって稼ぎ時。その“締める”行為を行うことが多いという。ゴールデンウィーク、お正月、給料日が多いとされる毎月25日、年金支給日である15日、そして1日から5日はその対象日になる。

生活保護受給者がパチンコなどのギャンブルをした場合、給付の一部を停止してきた別府・中津市が、国と県から法的根拠がないと指摘を受けて、来年度から停止措置を行わない方針をみせた。意見書を出した弁護士らがつくる弁護団の事実上完全勝利である。

意見書を出した弁護団は、違法の主張の他にこんなことを言っていた。「ささやかな余暇を楽しむ権利を奪うのは憲法違反」。果たして5万円(低レートで最低5千円ほど)軍資金が必要となるパチンコ店が、ささやかな余暇を楽しむ場所であるのだろうか?僕が生まれていないような時代では庶民の遊技場と言われていたパチンコ店。現在は庶民の遊技場とはかけ離れている場所であり、金銭感覚がおかしくなっているという声も多い。

ゲームセンターに行ったときに、パチンコ台やパチスロ台を見掛ける。その台であれば、締める割合がパチンコ店よりも少なく、金額もそこそこで遊べるようにできているようだ。しかし生活保護でパチンコをする方たちは、ゲームセンターは選択肢に入らないという。あくまでも利益を追求するために、パチンコ店に足を運んでいる。稼ぐためにパチンコ店を利用している現状がある。生活保護の支給を軍資金として、お金を稼ぐためにパチンコ店に行っている生活保護受給者がいることを弁護団は無視するのだろうか。

心優しく、人一倍正義感を持つ方たちの主張であるので、本当に生活保護が必要である方たちに対する偏見を恐れている表れであると理解し、尊重したい。必要な方たちが後ろ指をさされるようなことがあってはいけない。だからこそ、意見書を出すような方たちが率先して「稼ぐためのパチンコに行かないように考える」のが、建設的であり未来的な解決方法になると思うのだが、その発想はないようだ。

世論がこれからどう変化するのか?一番主張したいことであるはずの生活保護受給者に対する偏見が、一層強まることを僕は危惧する。行政と一緒になって、「生活保護受給者の推奨されるささやかな余暇」に向かわせる建設的な道があったはず。生活保護支援九州・沖縄ネットワークだからこそできる“支援”がここにあったはずなのに、ここは支援しないようだ。

忘れてはならない別府市役所職員の想いも、この弁護団と同じ。「本当に必要な生活保護受給者に対する保護」だ。方向性は一緒。受給者のなかで、支給額をパチンコによって数日で使い切ってしまう人もいるという。そういう人たちを守ることもできるはず。人権派弁護団は「何を守りたいのか?」、小手先だけで「何を守れるのか?」。僕にはさっぱりわからない。

権力を叩くことだけが良き社会になるとは限らない。イデオロギーがその社会の弊害になることを、彼らのイデオロギーは認識しない。その典型的な例であると僕はみている。これからも巡回は続くようだが、ペナルティーがない分、思う存分これからも通えることが確定した。給付金を軍資金にして、お金を増やすチャンスを支援していることに対して、無力でいなければならない。これがささやかな余暇と、僕らは理不尽に認めないといけない。

巡回し、指導し、改善されずまた巡回。それを繰り返すまったく生産性がない仕事をする職員の声を聞いてあげたい。生活保護受給者を守ろうとする意志、別府を良い街にしたい願いは本物であるのに、まるで人権侵害をしているように言われる。これほど虚しい仕事はないだろう。長野別府市長をはじめ、別府・中津市役所の職員らは顔をあげてほしい。評価して、支持している人の数の方が圧倒的に多いのだから。

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